ー世界へのDOORー

アメリカ留学経験済みの筆者が英語や留学、海外の文化等を紹介したり、自分自身が興味あるものをひたすら記すブログです。

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【危険でないことを恐ろしいと考えてしまう】恐怖本能とは何?

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皆さん、こんにちはこんばんは!Rinです。


突然質問ですが、皆さんは恐怖本能といったものをご存知ですか?

恐怖本能というのは、私達が元々持っている本能のことで、危険でないのに恐ろしいと勝手に考えてしまう思い込みのことを言います。

今回は、そんな恐怖本能とは何か、また恐怖本能を抑えるにはどうしたらいいか、色々皆さんに説明していきたいと思います。

 

 

【危険でないことを恐ろしいと考えてしまう】恐怖本能とは何?

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私達が潜在的に持っている恐怖本能とは、いったいどういったもので、どんなことからそういった恐怖が起こるのでしょうか?

恐怖本能って? 

多くの人に、
「あなたが一番恐れているものは何ですか?」

この質問をすれば、大体いつも蛇だったりクモ、高所、閉所が回答数のトップになります。

他にも恐れているものと聞かれれば色々あり、人前で話すことや、飛行機、ねずみ、他人、人混み、暗闇、炎溺れることなど、定番の答えが上位に並ぶことがあります。

これらに対する恐怖心は、もちろん人が進化の過程で培ったものです。
私達の祖先は怪我をしたり、捕まったり毒に犯されるのをなんとか避けることで生き延びてきました。
そのせいで、現在でも私たちは、怪我や毒などの危険を予知すると、恐怖本能が勝手に反応してしまうようになっています。

そんな一方で、メディアは毎日のように身体的な危害、拘束、毒に関連するニュースを流しています・・・。

身体的な危害、暴力、危険動物、鋭利な刃物、自然の脅威など


拘束、何かに閉じ込められたり、誰かの支配下に置かれたり、自由を奪われるなど

毒 目に見えない有毒物質など


メディアはメディアで私達の恐怖本能を利用せざるを得ません。

なぜかというと、恐怖本能を刺激することで、あまりにも容易く私たちの関心を引くことができるからです。

特に2種類の恐怖を同時に煽ることができたら効果は抜群になります。

 

例を挙げると、誘拐事件や飛行機事故は、身体的な危害と拘束への恐怖心を呼び起こします。
他にも、大きな地震が起きた時は、建物の下敷きになった人たちが他の被災者に比べて注目されます。
こちらも身体的な危害と拘束という要素があるからです・・・。

このように複数の恐怖心を煽れば、話をより刺激的にすることができるということになります。


現在世界は危険だという趣旨のニュースは、昔よりも効果的に配信されるようになりました。
一方で現在の世界は、人類史上類を見ないほど平和で安全と言われています。

私たちがやるべきことは、見出しの陰に隠れている事実に目を向けることなんです。
そうすれば恐怖本能がいかにして、「世界は怖い」という印象を人々に植え付けているかが分かります。


突然ですが、皆さんに質問しますね!↓

自然災害で毎年亡くなる人の数は過去100年でどう変化したのか?

A 2倍以上になった
Bあまり変わっていない
C 半分以下になった

 


答えは、、、

 

 

 


Cの半分以下になった が正解です。
(今回の記事はファクトフルネスという本を参考にして記事を書いているのですが、私はこの質問に対して、Aを選んでしまいました^^;・・・。もっと世界について勉強しなきゃと思わされました。)

 

 

ちなみにこの数字には、
洪水
地震
暴風
干ばつ
山火事
異常高温
異常低温

の死亡者も含まれています。

他にも災害で家を追われたりして亡くなった方や、災害の後に流行した感染症による死亡者も含まれます。
このファクトフルネスの本によると、正しい答えを選んだのはたったの10%でした。

正解率が最も高かったフィンランドとノルウェーですら、正しい答えを選んだのは16%でした。

答えは、自然災害による死亡者数は100年前と比べて半分どころか25%になったのです!お驚きですよね!

一方人口は同じ期間に50億人増えています。
一人当たりに換算すると災害による死亡率は激減して、100年前の6%になったんです。

ちなみに、現在世界中の災害支援の情報は、国連のリリーフウェブという Web サイトに集まるようになりました

ReliefWeb - Informing humanitarians worldwide

一昔前には想像もつかなかったような仕組みです。
そしてリリーフウェブは私たちの暮らしをしている人たちの税金によって成り立っています

人類はついに自然から身を守る方法を得ました。
自然災害で亡くなる人が大幅に減ったことは、人類にとってまた一つの進歩と言えます。

他の進歩のように無視されがちな進歩ですが、リリーフウェブを金銭的に支えているの私たちの地域(主に西洋諸国)なのに、その私たちと言われるおよそ9割が、災害に対する人類の進歩を全く知りません。
残念なことに自分たちが払ったお金が世界を救っていることにも気づいていません。
なぜならメディアがどの災害も史上最悪であるかのように報道し続けるからです・・・。

 


ただ、言えるのは大災害がまさに起きている最中に、世の中良くなっているというのは間違いだとは思います

とてつもなく大きな苦しみの中にいる被害者や被害者の家族の気持ちを踏みにじるだけです。
人としても完全に間違っていると言えます。
こういう時は人類の進歩のことは一旦忘れるべきで、そしてそれぞれができる限りの協力をするべきとファクトフルネスの著者は教えてくれます。

ただ、そういった状況が落ち着いたら、私たちは再び事実に基づく世界の見方にとって行動しないといけません。
感情的にならずに将来できるだけ、多くの命を救えるように資源が分配できているか確かめてみましょう。
そしてこういう時の優先順位は、災害への恐怖心と一旦切り離して考えないといけません。
なぜなら現在最も恐れられているような災害で亡くなる人の数は、世界のさまざまな問題による死亡者数に比べて圧倒的に少ないからです・・・。

消えた4000万機の飛行機

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2016年には、何と4000万機の旅客機が死者を一人も出さずに目的地に到着しました。

死亡事故が起きたのはたったの10機です。
もちろんのことながらメディアが取り上げたのは全体の0.000025%でしかないこの10機のほうでした。
安全なフライトがニュースの見出しを飾ることは一切ありません。
確かに、無事飛行機が着陸しました!といったニュースは見たことがないですよね・・・。

空の旅は70年前に比べて、2100倍も安全になったと言われています。

1930年代までは飛行機に乗るのは命がけでした。
事故はひっきりなしに起きて、その度に旅行者は恐れおののいていました。
当時はどの国の航空局も、飛行機旅行には伸びしろがあると考えていました。

しかし、飛行機がもっと安全にならない限り、ほとんどの人は乗りたがらないということをみんな理解していました。
そこで1944年各国の航空局の責任者たちがシカゴに集まって、シカゴ条約が締結されました。
条約には様々な付属書が含まれており、特に13番目の航空機事故調査が重要でした。

これにより、事故の報告書の形式が統一されたのです。
また報告書は各国に共有されるようになって、お互いの失敗から教訓を得られるようになりました。
それ以来全ての旅客機の事故に対して調査が行われて、結果が各国に報告されるようになりました。

事故のリスク、要因の解明をされて、新しい安全対策が作られて、それが世界中で使われるようになりました。
シカゴ条約は人類史上最高のチームワークの産物と言っても過言ではありません。

共通の恐怖があれば人はいとも簡単に手を取り会えるということがこのことでわかると思います。
恐怖本能というものは、諸刃の剣です。
恐怖本能があるおかげで世界中の人々が助け合うことができます。
そしてそれが人類の進歩につながります。
一方恐怖本能のせいで、「年間4000万機もある、無事に着陸した飛行機の数々」に私達はなかなか気づくことができません・・・。
それが恐怖本能の恐ろしさなんです。

テロ

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 次は、西洋諸国で近年何よりも恐れられているテロの話をしてみます。

恐怖本能の力を誰よりも理解しているのはジャーナリストではありません、テロリストです。
彼らは人々を恐怖に陥れ、私たちの恐怖本能につけこみます。

身体的な危害を加えられたり、拘束されたり毒殺されるといった恐怖を煽ります。
世界中では多くのことがよくなっていますが、テロは例外で年々増え続けています・・・。

だったら「テロがとても怖い・・・」と思うのは合理的なことなのでしょうか?

早合点する前に冷静になってみましょう!

2016年に亡くなった人のうち、テロで亡くなったのは0.05%しかいませんでした。
つまりテロを怖がる必要はほとんどないということです。

またテロを怖がるべきかどうかは私達が住む場所にも左右されます。
アメリカのメリーランド大学の研究者たちは、信頼できるメディアに掲載された1970年代以降の全てのテロ事件のデータを集めています。

それはグローバルテロリズムデータベースと呼ばれ、17万件以上のテロ事件のデータが載っています。
このデータベースによれば、2007年~2016年の10年の間に、テロによって世界で159,000人の人が亡くなっています。
その前の10年に比べ被害者は3倍になりました。

テロ事件の数は世界中で増え続けているといえます。

しかし一番豊とも言われている私たちの国では、実はテロの数は減っています。

2007年~2016年の間に先進国とも言える私たちの国では、1439人がテロ事件で亡くなりました。
しかしその前の10年間には4358人もの人が テロで亡くなっています。
ちなみにこの期間には、2996人が亡くなった史上最大のテロ事件、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が含まれています。

それを除いたとしてもテロの犠牲者は過去10年とその前の10年の間でほとんど変わっていません。

一方
イラク
アフガニスタン
ナイジェリア
パキスタン
シリア

などではテロの犠牲者は増え続けています。

特にイラクでの犠牲者は増加数の半分を占めます。
最も豊かの国々私達の国々において、2007年~2016年の間にテロでなくなった人の数は全世界におけるテロの犠牲者の0.9%しかいません。

また私たちと言えるレベルに住んでいる国々におけるテロの犠牲者の数は、21世紀に入ってから減り続けています。
2001年以降旅客機をハイジャックして誰かを殺害したテロリストは一人もいません。

アメリカだけを見ると過去20年に3172人がテロでなくなりました。

1年あたりの犠牲者は159人という計算になります。


一方同じ20年間に140万人もの人が飲酒が原因でなくなりました。

こちらは1年あたり69,000人です。

ただ飲酒とテロは違う!
飲酒をした人が亡くなった場合と、飲酒をした人が誰かを殺した場合を分けないといけない!と言う意見もあるかもしれません。

では飲酒による殺人や飲酒運転だけに限定したらどうでしょうか?
低めに見積もってもアメリカでの1年あたりの犠牲者は7500人、つまりあなたの大切な人が酔っ払いに殺される確率はテロリストに殺される確率より約50倍も高いということになります・・・。
日本でも飲酒運転により、被害を被っている人は多いですよね・・・。


テロ事件が起きれば、メディアは大騒ぎしますが、アルコールの犠牲者はほとんどテレビに映りません。不思議ですよね・・・。

空港のセキュリティチェックも、テロが増えている印象を植え付けます。
しかし実際にはセキュリティチェックのおかげで、今まで以上にテロが起きにくくなっているというのにも関わらず・・・。

恐怖と危険は違うということを知ろう!  

飛行機事故やテロ事件について色々見てきましたが、もし私達が怖がるとしたらどうせなら危険なことを怖がりましょう。


恐怖本能は正しい使い方をすれば役立つこともあります。
しかし世界を理解するには全く役に立ちません。

恐ろしいが、起きる可能性が低いことに注目しすぎると、本当に危険なことを見逃してしまうことになります。

全死亡数の
0.1%を占める自然災害
0.001%を締める飛行機事故
0.7%を占める殺人
0%を占める放射線被曝
0.05%を占めるテロ

などです。
どれも年間死亡者の1%にすら届かないにもかかわらず 、メディアは大々的に取り上げるのです。
もちろんそれぞれの死亡率を減らすための努力は必要かもしれません。ですが、恐怖本能が人々の判断力を鈍らせることは忘れてはいけません。
本当に危険なことを察知し、大切な人を守るためには、恐怖本能を抑えて死亡者数を見極めることなんですよね。

参考文献

 

 

まとめ

恐怖本能について今回記事にしましたが、いかがでしたか?

ファクトフルネスは読むにつれて本当に奥深く大変重要なことに気づかされます。

世界は恐ろしいと思う前に、まず現実を見ること。行動する前に落ち着くこと。恐ろしいものには自然と目がいってしまうことに気づくことということが重要なのだと、ファクトフルネスを読んでて私は感じました。

恐怖と危険は違う!ということに気づくことが大事ですよね。

皆さんも恐怖=危険と思わないように心がけてみましょう!

 

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